1: 蚯蚓φ ★ 2014/02/17(月) 23:00:53.23 ID:???
一人の人生を生老病死と要約しようと、喜怒哀楽と表現しようと、「誕生の瞬間」を軽く考えること
はできない。誕生の瞬間はすべての人生を説明する出発点であり、存在の証拠だ。住民登録番号
が一回性と固有性を持つのは誕生の瞬間の情報を込めたからだ。国家の誕生はどうか。「国家の
主権は始原性を特徴とするため、突然、私たちの目の前に現れたものと定義される。国家主権自
体が世の中の開始といえる。国家は死亡することになれば後継者が出てくることができない非常に
孤独な奴だ」(憲法学者チョ・ムンスク)。現代人が国籍がある人間として生きていく限り避けられな
い国家の運命性を、ユーモアでよく表現したと思う。

ところが私たち大韓民国の憲法の前文に国家の誕生場面が消えたのを知っているだろうか。前
文は後に続く130個の憲法条項に生命を吹き込む最初の精神だ。この最初の精神から国家誕生
場面が消えたのは残念でならない。

現在、私たちが使う1987年の憲法の前文はこのように始まる。「悠久な歴史と伝統に輝く我々大
韓国民は3・1運動で成立した大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継
承し…」。「大韓民国臨時政府」はあるが「大韓民国正式政府」という言葉はない。法の正統と継承
を述べながら建国精神は抜けたのだ。人の人生に例えれば、大韓民国臨時政府は妊娠、正式政
府は誕生、4・19の民主理念は成長に該当するといえるだろう。妊娠と成長はあるが誕生が抜けた
憲法の前文、いったいなぜこのようなことが起きたのだろうか。

国家の誕生、すなわち大韓民国の建国性は5・16クーデターで憲法が全面改正されて消えた。
62年に第5次改正された憲法の前文は次の通りだ。「…大韓国民は3・1運動の崇高な独立精神
を継承し、4・19義挙と5・16革命の理念に立脚し、新しい民主共和国を建設するにあたり…」。3・
1運動、4・19義挙、5・16革命を順に羅列しながら、1948年の建国精神をさらっとなくしたのだ。こ
の時になくなった建国性はその後、6次、7次、8次を経て、87年の9次改正憲法にいたるまで回復
しなかった。誰も関心を持たなかったためだろう。建国性などはどうでもよいという感じだったようだ。

7次維新憲法時は「祖国の平和的統一の歴史的使命」という句節が挿入され、全斗煥(チョン・ド
ゥファン)大統領執権過程で作られた8次改正憲法には「第5民主共和国」が明示された。維新独
裁の名分を得るための祖国統一やクーデター的事件で執権した新軍部政権の正統性コンプレック
スが改憲勢力の関心事だったのだ。

建国性に関心がないのは現行の9次改正憲法も同じだ。以前まで「3・1運動の崇高な精神」と表
現された抗日独立性に「大韓民国臨時政府の法統」という句節が追加された。87年6月抗争を支
配した民族・民主・民衆運動の熱気のためだ。87年憲法で独立性(民族性)と民主性は強化され
た。しかし建国性は無惨な状況から抜け出せなかった。ここまでが韓国憲法で建国性が孤独死し
た過程だ。

私は韓国という国の国格が4つの柱で成り立つと考える。日帝からの独立性、主権国の誕生とし
ての建国性、輝く自由の歴史である民主性、現代国家の基盤を固めた産業性--。この4つのう
ち産業性は歴史の評価をもう少し待たなければならないとしても、1948年から存在しながらもいつ
の間にか孤独死した建国精神だけは憲法の前文に再び生かすべきではないだろうかと思う。

いま国会には国会議長の直属で改憲諮問委員会が稼働した。姜昌熙(カン・チャンヒ)議長の改
憲意志は朴槿恵(パク・クネ)大統領が抵抗感を表出して薄れた。そうであっても統一を準備しなけ
ればならないように改憲を準備しないわけにはいかない。改憲を議論する時、国家誕生の瞬間、建
国性を主要議題にすることを望む。

チョン・ヨンギ論説委員

ソース:中央日報日本語版<【コラム】憲法で孤独死した大韓民国の建国性>
http://japanese.joins.com/article/897/181897.html

【【韓国】 憲法で孤独死した大韓民国の建国性~誰も関心が無かったのだろう/中央日報コラム】の続きを読む